創業家に忖度した“番頭経営”からの脱却を
Global ESG Strategy(GES)は、
株主提案
の実現及び、ウィザス株主の皆様への情報
公開により、ウィザスのガバナンス上の深
刻な問題点の解消と真に資本効率を追求
する経営の実現を図り、株主共同の利益の
最大化を目指してまいります。
GESは2023年より東証スタンダード上場の株式会社ウィザス(以下「ウィザス」) (証券コード:9696)に対する投資を開始し、同社へのエンゲージメントを継続して まいりました。現在、SAFSの運営ファンドにてウィザスの株式を議決権にて約19% 保有しています。これまでの間、同社が創業家の関わるガバナンス上の深刻な問 題点を抱えており、また、上場企業として求められる資本効率に対して無自覚な経 営が漫然と行われていることが明らかとなりました。
具体的には、ウィザスは資本コストや資本収益性を無視した経営方針により、業 界最低レベルの株価評価に陥っています。その主因は、資本効率を無視した大幅 なネットキャッシュ状態にあることが挙げられますが、これを解消するための基本 的な財務方針もありません。このようなむやみにキャッシュを溜め込む企業体質 は、東証の要請する「バランスシートをベースとする資本コストや資本収益性を意 識した経営」 にも明らかに反します。
さらに、同社では創業者及び創業家である堀川家への特定の地位 ・報酬の供与、創業家による競合他社との役員兼務、子会社株式 の取得を通じた創業家への実質的な利益供与、創業家を実質的に 保護する買収防衛策の導入・維持などが行われており、ウィザスは 上場企業でありながら、一株主である創業家に対する過剰な配慮 や利益誘導が行われ、上場企業として目指すべき成長や株主共同 の利益の実現が阻害されている状況にあります。
GESはこれまで、ウィザス経営陣との対話を通じて、これらの問題 点及び課題の改善を求めてきました。しかしながら、ウィザス経営陣 は現状に何ら不適切な点はないとの説明に終始し、自発的に改善 される兆しが見られないことから、このたび、2024年6月開催予定の 定時株主総会に同社のガバナンス体制の根本的な改善と資本効 率の改善を目的とする株主提案(以下「本提案」)を提出しました。 かかる本提案は、①資本効率の改善の一環としての 大胆な株主還元、②創業家を優先・優遇する「番頭経営からの脱 却」を図るガバナンス改革、③株主との建設的対話の促進、④創業 者関係者らの既得権益を守るための買収防衛策の廃止を実現する ための計10個の議案からなります。